今日のお話は、
- 今、派遣社員としてお仕事をされている方
- これから紹介予定派遣で仕事をされる方
- 直接雇用を打診されている方
は、辞めておいた方がいいという提言です。
自分なりのキャリアパスがしっかりと描けている方、次の仕事が決まっていたり結婚が決まっていて腰掛けという方、それでも今の仕事をしたいという方は参考になりませんので読まなくていいです。
もう少し時間がある方は、続きをどうぞ。
直接雇用?しょせんは契約社員です。
これ、知らない方が少数派なんでしょうか。
・・・僕、直接雇用の話をもらった時に初めて知りました。
直接雇用は正社員登用ではなく、契約社員登用です。
派遣として頑張って抵触日を迎えても、紹介予定派遣で入って直接雇用が認められても。
底辺が脱底辺になるだけで、あなたが想像する安定した生活なんて夢のまた夢です。
もちろん、正社員として登用されることもゼロではないでしょうが・・・
派遣社員から契約社員になると変わるのは以下4点です。
- 雇用主が派遣元から就業先になる(給料もらう相手が変わるだけ)
- 時給が月給になる(時給の可能性だって十分ある)
- 交通費が出るようになる(出ない可能性だって十分ある)
- ボーナス(賞与)が出る場合がある(出ないか、出たとしても正社員の半分くらい)
確かに待遇はいくぶん改善されます。
ボーナスは少ないし、退職金もないけど、まぁ、派遣よりはマシか・・・
ちょっとまってください。
大事なことを忘れていますよ。
契約社員は有期社員です。
現在の労働契約法では、
5年を越えて働いた有期雇用労働者が申請すれば、会社はその人を無期雇用にしなければならない
労働契約法 第18条を要約
ことになっています。
逆に言えば、
「5年以内の雇い止めは自由」
ということです。
思い出してください。
派遣社員だったあの頃、更新月が来るたびに切られるのではないかと怯えていた日々を。
彼氏と別れてから生理が止まっちゃった時のような気持ちで、更新の連絡を待ち続けたあの日々を。
生理うんぬんは、前の職場で一緒だった女の子の弁です。
資格もスキルもないまま30代後半を迎えたコンプレックスから、まさにこんな気持ちで毎回更新の連絡を待っていると言っていました。
例えが生々しすぎて、この話を飲みの席で聞いた時は軽く引きましたが、人によってはそれくらいの焦りを感じるってことです。
派遣社員から契約社員になっても、あの焦りから逃げることはできません。
ちょっと古いデータですが、企業の意識調査によると
対応方針は「未定・分からない」が全体の38.6%
そしてそして~「通算5年を超えないよう運用」が14.7%
50%以上の企業が、5年以内に無期雇用に対して無関心、もしくは後ろ向きなのです。
労働基準局労働条件政策課 無期転換ルールに関する雇止めの状況等について(PDFデータ)
今、あなたが30歳だとしたら、5年後は35歳。
5年目で契約を終了されたら、今の僕と同じ条件で就職活動をしなければいけません。
転職できる確率は、サッカー日本代表が公式戦で本気を出した歴代最強メンバーのブラジルに勝つより少ないですwww
それでも、今の道を進みますか?
5年我慢しても正社員なんてなれない
5年後、セカンドバブルが到来しているか、「30代以上は正社員で登用しないと実刑」とかブッ飛んだ法律ができていればわかりませんが。
契約社員で5年我慢しても、正社員にはなれません。
労働契約法で定めているのは、5年以上連続で勤務した有期社員から申込があったら「無期雇用契約を結ぶこと」だけです。
正社員として雇う義務は一切ありません。
法的には正社員と契約社員の違いはないのですが、実際は厳然とした格差があります。
契約社員として無期雇用になったとしても、
- 昇給
- ボーナス
- 業務内容
- 退職金などの福利厚生
- その他、あらゆる労働条件
で、正社員と大きな差を付けられます。
そして何より。
リストラをする時は、真っ先に整理対象になります。
労働契約法の改正で平成25年4月から不合理な労働条件の禁止が明言されましたが、今でもこれらの格差は当たり前のように存在しています。
企業側に適当な理由をつけたら、労働者側がこれをひっくり返すことはまずできません。
同じ仕事をしているか、正社員以上に仕事をしていても弱者という派遣社員の頃に抱えていたイラだちは、解消されないのです。
限定正社員は正社員ではない
中には、
紹介予定派遣→契約社員→1~2年で正社員
というキャリアパスが用意されている企業もあります。
こういう待遇を用意しているところは、結構名前が通っている企業のことが多いので、これを狙っている人も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って下さい。
「限定」ってついてないですか?
限定正社員は、
- 勤務地
- 労働時間
- 業務内容
などが限定されている無期労働者のこと。
転勤がない、残業がない、1つの仕事で専門性を高められるといったメリットはありますが・・・
逆に言えば、それ以外のことはできないということです。
当然、残業・転勤何でも引き受ける純血正社員(?)より給与は下がります。
仕事が決まっているのですから、キャリアアップができないため、給料は上がりません。
実際、ユニクロも日本郵政も、少なくとも現段階では、限定正社員の給料は何年働いても、世間一般の50代正社員の半額で止まります。
http://president.jp/articles/-/12587
そして何より。
従事している勤務地・業務がなくなれば解雇されます。
結論:純血正社員目指して今すぐ転職すべし
要するに、派遣で働いている人がまともな生活をしたければ、今すぐ純血正社員になるために転職活動を始めろということです。
もしくは起業。
時間がたてばたつほど、年齢というハンデが大きくなります。
もちろん、務める企業によっては努力次第で、契約社員から限定社員を経て、正社員になれる可能性はあります。
限定正社員でも、それなりに満足できる待遇を用意してもらえるかもしれません。
専門性が高い業種だったら、契約社員でもそれなりの待遇が手に入るかもしれません。
限定社員が悪ともいいません。
非正規と比べれば、天と地ほどの待遇差です。
企業側にどんな思惑があるにせよ、非正規の劣悪待遇に一石を投じたこと自体は評価されるべきです。
・・・「正社員だから」という大義名分でサービス残業100時間とかやってる可能性は否定できませんが・・・
何が人間としての幸せか、自分に取って望ましい働き方は人それぞれ。
人が口を挟む問題ではありません。
ただ、こういう背景を知らずに
「紹介予定派遣で仕事見つけたから安心だぜ、ヤーハー。」
とか言っていたら、ヤバイです。
5年経ってから
「こんなはずじゃなかった」
と後悔しても遅いのです。
常に最悪を想定して動くべきです。
↓これ見て人生設計を考えなおすことをオススメします。↓