コールセンター仕事術は、僕から申し上げることはほとんどないと思ってるので。
こうして質問を投げてもらえると、本当に助かります。
現役の頃はブイブイいわしてたけど(笑)。
自分で言うのも何だけど、優しいだけが取り柄の人の良いオッサンだけど。
引退してしまうと、どうしても「今まさにコールセンターの現場で頑張ってる子たちの悩み」に【理解】はできても【共感】はできない。
というわけで。
WinF継続のために、ネタの提供ご相談お待ちしています。
【コールセンター仕事術】~クレーム対応の心構え~を尋ねられたのでまじめに答えてみた
実は。
8月に入ってから更新した【コールセンター仕事術】はほとんどがおんなじ人からのご質問への解答です。
うんうん。
やる気のある若者は好きだよ♪
何より、女の子っていうのがいい!!
おじさん、頑張っちゃうぞ!!
で。
今回のご質問はコチラ
「怒られて当たり前」と捉え、気持ちを早く切り替えることは、次への対応のためにも大切なことですが、小鳥遊さんがクレーム処理の際に心がけていたこと・考えていたこと、そのクレームを活かして次のケースに繋げていたことなど他にあれば教えていただきたいです。
ご質問より引用(原文まま)
この方、クレームを受けたこと・お叱りを受けたことに落ち込むより、「悔しい」と思っていらっしゃるとのこと。
大事。
すっごく大事。
こういう子は、伸びる。
こういう若いもんがいると、日本も大丈夫!と安心します。
では。
解答です。
クレーム対応のメンタル面で一番大事なのは「絶対に次に引きずらない」こと
あの頃の僕や、今コールセンターで頑張っているオペレーターさんからすると毎日何十人・何百人とお相手するお客様の一人ですが。。
・・・お客様にとってはこれが最初で最後の対応になるかもしれません。
絶対に前のクレームを引きずって対応を見誤ってはいけません。
人間、最初の印象が全てです!!!
ここで悪い印象を残してしまうと、そのお客様にとってその会社は未来永劫「悪い会社」になってしまいます。
こういうお客様は指名がなくて「以前対応した」ということで上席や他のオペレーターさんから対応を依頼されることが多い。
・・・秋になると生まれた川に戻ってくる鮭のように、自分がつくったクレーム客は高確率で自分のところに戻ってきます。
クレームはツライです。
でも。
だからこそ。
自分からクレームをつくるような対応をしてはいけません。
クレーム対策は予防がすべて!
クレームは、起きた時の対応より「起こさない事前準備」のほうが100倍大切です。
起きてしまったクレームをおさめるより、事前にクレームを起こさないようにすることのほうが100倍カンタンです。
断っておきますが。。
「日々、丁寧な対応を心がけましょう」とかいうレベルの低い話ではないですからね。
例えば。。。
今の時期は、夏休みも終わり仕事が始まってからしばらくたった時期です。
そういう時は、会社・業種に関わらず
- 振込で支払ったはずなのに、手続きの不備で商品が届かない
- ネットでの入金手続きが間違っていて、サービスが止まっていた
といった入金絡みのトラブルがよく起こります。
これを読んでいる方も、ご苦労されているのではないでしょうか?
あなた一人が気をつければいいという話ではありませんが。。
一番気をつけなければいけないのは、コールセンターを束ねる立場、オペレーターを束ねる立場の人間ですが。。。
悪いのは向こうではあるのですが。。。。。。。
仕事ですから!!
で。
昨年、一昨年等のデータを見れば、お盆休み明けは入金関係のトラブルが多いことは事前にわかるはずです。
これはあくまで一例ですし、センターの事情でできること・できないことがあるでしょうから柔軟にお考えいただきたいのですが・・・
もしお盆前にお問い合わせいただいたお客様だけにでも
「お盆休みを挟むと入金確認が遅れること、万が一の不備があった時のご対応が遅れることがありますので、お気をつけ下さい。」といったご案内をしたらどうでしょう?
できればセンター全体で。
完全になくすことはできなくても、何らかの変化は起こるはずです。
他にも
- 年末年始、春の新生活シーズンといった季節ごとのクレーム
- お客様の種類によって起こりやすいクレーム
- 自社の商品・サービスごとのクレーム
などなど。
よく見れば比率の高いクレーム・特徴的なクレームというものが見えてくるはずです。
それをキャッチして、自分なりでいいので「事前に」食い止める方法を考えてみましょう。
ちなみに僕は、センター入って1ヶ月した頃から、前年・前々年・・のデータを見て月ごとのクレームの種類の変化を把握していました。
他の人がやると
「そんな暇があるなら架電しろ」
となりますが、トップ取ってたのでなんにも言われませんでしたねww
このブログでも繰り返し、繰り返し言っていますが。
コールセンターでは数字こそが正義、トップこそが神です。
トップ取ってれば「グレーな対応」は「革新的な対応」になりますし、ペーペーが言っても黙殺される提案が取り上げられるようになります。
頑張ってください。
クレームになってしまった後できるのは「最後まで全て語らせること」と「努力をお客様の見える形で見せること」
クレームは勃発した時にはほとんどがすでに手遅れ。
僕が現役の頃、特に意識していたのは「とにかく最後まで聞くこと」
通常時であればある程度強引にこちらでリズム・ペースをつくっていくことも必要になりますが。
クレーム対応は「全部吐き出させることができるかどうか」で成否が決まります。
言いたいことを全部言ってもらえば、それだけで解決しちゃうこともあるくらいです。
一方、相手が言いたいことを言っていないうちにこねくり回すと、どんな的確なアドバイス・謝罪をしても火に油を注ぐ結果になります。
あとは。
「できないこと」に対してどれだけ「頑張ったか」を分かる形で示す。
つまり・・・努力をお客様の見える形で見せることです。
いくら有能なオペレーターでも、できないことはできません。
だけど、けんもほろろに「できません」と否定されれば、誰だって嫌な気持ちになります。
だからせめて、精一杯お客様のために動いたことをアピールするのです。
一番カンタンなのは、一旦電話を置くこと。
それだけで即答より「自分のために動いてくれた」というプラス印象を与えることが出来ます。
また
「確認しますので」ではなく「なんとかできないか担当窓口に掛けあってみますので」といったポジティブな切り方で間をとると、たとえダメだったとしてもより効果的です。
1つのクレームより、全体を大きく広く見る
僕の場合。
クレームを個別に分析したり、具体策を何十個もつくったり、いわゆる「次に活かす」的なことはあまりしませんでしたね。
クレームは対応が終わったと同時に過去になります。
そこから何かを学ぼうとする姿勢は悪くはないですが、あまり気にし過ぎると負け癖がつきます。
手痛いクレームは、いちいち心に刻まなくてもちゃんと血肉になりますからイチイチ気にしなくても大丈夫です。
大切なのは、過去じゃなくて今です!
それより。。
とにかく「クレームを起こさない」ためにできることを考えるのに時間と労力を使いました。
「きちんと説明する」ための説明力と、ロジカルに考えて原因特定と問題解決をするための力を鍛えることに時間を使いました。
やったのは、とにかく本を読むこと!
僕は活字、大っ嫌いなのですが、、、まぁ、仕事ですからね(苦笑)。
多分そのジャンルだけで50冊は読んだんじゃないですかね。
小手先のクレーム対応テクニックではなく、もっと根本的な力をつける。
大事です。
Amazonででも「説明」「問題解決」とかで検索するといろいろな本がでてきます。
まずは1冊で十分です。
時間があるときにでも本屋さんいって、立ち読みで自分に合いそうな本を探してみてください。
ちなみに。
僕が一番勉強になったのはこの3冊です。
三笠書房
売り上げランキング: 1,670
売り上げランキング: 776
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 413
今日もビシッと決まりました。
自分で自分のかっこよさが嫌になるわww