今日はWinFに寄せられたご相談にお答えしようと思います。
エスカレする相手によって答えが違い、振り回されているとのこと・・・心中、お察しします。
僕も最初の2週間位は苦労しました。
ただ・・・これはコールセンターに勤めていれば、センター長レベルになってもつきまとう悩みです。
LDになっても数人いるSVに振り回されます。
SVになれば安心!・・・かというとそうでもありません。
コールセンターは一部の自前センターを除けば、大抵クライアントの業務を代行するアウトソーシングの形態を取ります。
SVやセンター長は、オペレーターの見えないところでクライアントや、センターを運営している会社のお偉いさんに振り回されています。
究極の解決策は「コールセンターと縁を切ること」・・・ですが・・・そうもいきませんよね。
そこで今日は、僕が使っていた「後でトラブルに巻き込まれない、間違いのないエスカレ先を見抜く方法」と「無能な先輩・LD・SVから身を守る方法」をご紹介したいと思います。
後でトラブルに巻き込まれない、間違いないエスカレ先を見抜く方法
まずは先日メールで寄せられたご質問を紹介したいと思います。
アップルさん、お待たせして申し訳ありませんでした。
アップルさんのご質問
小鳥遊さん毎日ブログの更新を楽しみにしています。
私は現在通販の受注コールセンターで勤務をしている20代の男性です。コールセンターでの勤務が初めてでです。オペレータが常時50名くらい着席しています。オペレーターが50名もいるとその上のLD.SVも管理をするのに複数人いるのですが、人によって言っていることが異なります。
ベテラン先輩に聞いてその通りにするとLDのAさんに違うと言われ、別案件でLDのAさんに聞いてその通りにやると、今度はLDのBさんに違うと言われることが多々あります。
もう、正直誰の言うことが正しいのかがわからなくなってきます。また、すぐに指摘してもらえれば、それは○○さんに聞いてやりましたと言えますが、3、4日後、一週間後に指摘されても誰に聞いてそのやり方でやったかなどわかりませんし、下手に言い訳すると責任逃れとも捉えられないため、八方塞がりでストレスがたまります。
長くなりましたが、結論は人によって言っていることが違う場合の対処法などがあればご指示頂きたいと思います。
明らかに間違っていれば良いのですが、個々の感覚で良い、悪いの指摘を受けます。
心中、お察しします。
僕も最初の頃は本当に苦労しました。
そこで覚えて欲しいのがこの公式。
エスカレ指数=相手のスキル×センターでの立場
※ただしスキルポイントと立場ポイントの合計は10とする
上記の公式で出したエスカレ指数が一番高い人にエスカレしてください。
例えば・・・
- 無能だけどセンター内では絶対的な存在感を放つSVのAさん
- スキルは平均、立場も普通のSV、Bさん
どちらにエスカレするべきでしょうか?
エスカレ指数をはじき出せばカンタンです。
まず1のAさんの場合
- 無能、とはいっても無いことは無いだろうからスキルは2
- 立場は超絶に強いので8
とすると、エスカレ指数は2×8で16になります。
一方、2のSVさんの場合
- スキルは平均の5
- 立場も平均の5
エスカレ指数は5×5で25になります。
僕ならエスカレしなければいけないときは、後者のBさんにします。
つまり・・・こういうことです。
スキル | 立場 | エスカレ指数 |
1 | 9 | 9 |
2 | 8 | 16 |
3 | 7 | 21 |
4 | 6 | 24 |
5 | 5 | 25 |
6 | 4 | 24 |
7 | 3 | 21 |
8 | 2 | 16 |
9 | 1 | 9 |
実力だけの人はでは要領のいい人や権力に吹き飛ばされます。
組織では突出してスキルの高い人は目の敵にされます。
そんな彼(彼女)を慕ったオペレーターも敵とみなされ叩かれます。
かといって要領や権力だけでもダメです。
コールセンターは入れ替わりの激しいバスケのゴール下のような戦場ですから、より強い人が上についた瞬間、転落します。
スキルがあれば別のポジション、生き方にスイッチもできるでしょうが、そのスキルがないのですから・・・ご臨終です。
コールセンターで長く働こうと思ったら、一番いいのはバランスの取れた上司に気に入られ、派閥に入ることです。
根回しベタな僕が生き残ることが出来たのは、たぶん派遣だったからです。
正社員だったら、多分叩かれてたでしょうね。。。
無能な先輩・LD・SVから身を守る方法
エスカレ指数の公式を覚えておけば、かなりの確率で勢力争いによるトラブルを回避することができます。
ただ・・・
コールセンターではいつでも必ず相手を指名してエスカレができるわけではありません。
そしてなにより・・・
先輩・LD・SVが全員無能だった場合は使えません(笑)!
究極の解決策は「転職!」ですが、そうもいきません。
かといって、エスカレを極力少なくするためにスキルを高めるというのは、、、時間がかかります。
そうこう言っているうちに、アップルさんから昨日2通目のメールが届きましたwww
アップルさんの日常
小鳥遊睦月様
ご丁寧な返信ありがとうございます。
アップルです。
日々のお仕事やサイト更新でお忙しいとは存じますので、お仕事を優先で結構でございます。ちなみに今日も下記のようなやりとりがありました。
正直キレそうです。。。お客様「○○という商品を雑誌で見たので購入したい。サイトを見たがなかった。取り扱っていないのか?」
確かにサイトに表記がない。。。しかし、お客様は雑誌で見たと言っている。
エスカレするとSV登場。私「お客様が○○という商品を探していますが、サイトに上にはありません。取り扱っていますか?」
SV「サイトになかったらねえんだろう。だったらないって言うしかないだろう!!!」←なぜにキレている?
私「わかりました。無いって言っていいんですね」
SV「ちょっとまった。調べてみる。。。やっぱりないわ」
私「お客様、弊社では取り扱いがない商品でございます。」
お客様「わかりました。。。」別オペレータ受電「さっき、○○という商品の取り扱いがないって言われたけどあるじゃねぇか!!!!えtれうおt」
LD「アップルさん、さっき取り扱いがないって答えたでしょ!なんでそんないい加減な回答をするの?うんぬんかぬん。。」←いきなり頭ごなしにキレる。
私「さっきSVさんに聞いたらないって言えって言われました。」
LD「・・・・」
その後、LDとSVからは悪かったねの一言もありません。
という感じで日々を送っています。
コールセンターあるある、キター
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ではどうするか。
すべてのエスカレを記憶しておく?・・・そんなことできるわけありません。
もっと手っ取り早い方法があります。
それは、エスカレ相手とエスカレ内容を対応履歴に残しておくことです。
オペレーターも、管理者も、必ず見るのが顧客とのやり取りを記録した「対応履歴」。
ここに「●●SVエスカレ済」と書かれていれば、かなりのセンター内クレーム抑止になります。
・・・と思うでしょ?
ならないんです!
これだけじゃ!!
なぜか?
「俺はそんな指示はしていない!」
と言われればそこで終了だからです。
コールセンター名物「ちゃぶ台返し」www
ではどうするか。
- 誰に
- 何を聞いて
- どう対応したか
の3つを抑えて履歴を書くんです。
せっかくですから、アップルさんのやり取りを例にいい例と悪い例を挙げてみます。
悪い例
■●●SVにエスカレ ■その旨をご案内す
良い例
■●●SVにエスカレ ■調べ直したが取り扱いがないので「ないとお詫びするように」との指示 ■お詫びの上、取り扱いがないことをお伝え、了承いただく
いかがでしょうか?
悪い例ではSVにエスカレをしたことはわかりますが、どんな解答をされ、どう解答したのかが書かれていません。
一方、良い例では「エスカレ相手」がはっきりしているだけでなく、「SVの指示と自分の対応が一致していること」が書かれています。
コールセンターで務めたことがない人だと「そんなことは当たり前だ!」と思うかもしれません。
その当たり前ができないんです、コールセンターという環境では。
エスカレは大抵の場合、緊急でやるものです。
ある程度のキャリアを積んだオペレーターさんでも、緊急事態を乗り切った安心感で、普通に考えたら考えられない適当で曖昧な、フワッとした履歴を書いてしまいがちになります。
以前、【コールセンター仕事術】派遣社員が生き残る方法 その2という記事で履歴の重要さを説いたことがあります。
もう本当にその通りで、コールセンターのオペレーターの評価はトークスキルよりセンスのいい履歴を書けるかで決まると言っていいほど履歴は重要です。
他のオペレーターの業務を円滑にするだけでなく、自分の身を守ることにもつながる「履歴」。
仕事がうまく回っていないという人は一度、自分がどんな履歴を書いているか見なおしてみてください。
まとめ
もうコールセンターネタは書くことがないと思っていましたが、、、まだまだお役に立てることがあるみたいですね。
アップルさん、いかがでしたでしょうか?
また何かありましたら、お気軽にお問い合わせください。
もちろん、他の方のお問い合わせ・ご質問も歓迎です。
少し遅くなる可能性はありますが、必ずお返事しますので気長にお待ちくださる方は、ぜひ!