このブログではこれまでさんざん、改正派遣法が施行されたら派遣社員はどんなに頑張っても派遣社員から抜け出せず、一生搾取される貧乏生活を強いられると主張してきましたが・・・どうやら、間違いだったようです。
ごめんなさい。
おっさんの安い頭でよければいくらでも下げます。
申し訳ありませんでした。
で、本題ですが。
世の中、何が起こるかわからないもので・・・
一部の業界ではありますが、正社員化が加速しているようです。
おそらく、改正派遣法で今頑張らないと派遣を抜けられなくなると思った人たちがガンガン転職活動をするものだから、企業側が慌てて人材確保に走っているのでしょう。
ただ、これもいつまで続くかわかりません。
確かに正社員への道が完全に閉ざされるという予言は外れましたが、今、派遣での仕事で生計を立てている人は、一日でも早く転職することを、強く強くオススメします。
派遣社員に朗報?企業が非正規労働者を正社員化する動きが活発化してきた!
まずはこちらを御覧ください。
4日ほど前のニュースです。
住友生命保険がオフィスパートナーと呼ばれる契約社員約2000人のうち、6、7時間勤務のフルタイム契約社員600人を正社員化することが13日、分かった。残りの1400人については勤続3年以上で無期雇用に切り替える。いずれも希望者全員が対象で、2016年10月から実施する。同日までに労働組合と妥結した。
生命保険といえば、これまでとにかく人海戦術で契約を取る時だけペコペコ頭を下げて、売ったら売りっぱなしというビジネスモデルでやってきた業界。
日本人は安心とか保障が大好きだから、そんな殿様商売が許された。
が、しかし!
先日大筋合意に至ったTPPで、強い資金力を持った海外の生命保険会社が参入しやすくなることが、ほぼ確実になりました。
かんぽは入ってくるわ、外資は入ってくるわ・・・
これまでの殿様商売では駆逐されるのは火を見るより明らか!
今のままじゃダメだと、ようやく自分たちの生ぬるさに気づいたようです。
で、打ち出したのがコチラ。
契約社員は、生命保険の引き受けから支払いまでに関わる事務や顧客対応などを担当。フルタイム従事者は今回、総合職や業務職(異動のない総合職)をサポートする一般職の正社員に切り替わり、より権限も持たせる。
誰でもできる事務作業や一次的な顧客対応しかさせなかった契約社員に、より権限を持たせようとしているところに、生命保険会社の方針転換が見えます。
だから今、契約社員として限られた仕事だけをしている人により多くの権限を与え、顧客をトータルにサポートする経営にシフトしていくということです。
あとは、優秀な人材の囲い込みというのもあるでしょうね。
業務の大半を派遣や契約社員、あとはパートとかに頼りきっていた生命保険会社には、紙の上やPC上での数字はあっても、現場のノウハウやスキルがありません。
これまで何度となく派遣切りや契約社員の更新拒否で切り捨ててきたくせに、なんとも虫のいい話ですが、これから外資やかんぽと自由競争で戦わなければいけない状況ですから、ワラにもすがりたいんでしょう。
そこへきてTPPで外資がより自由に日本で商売をできるようになる可能性が浮上してきました。
きっと給料も国内生保会社よりいいでしょう。
・・・あれだけ人を蔑ろにしてきて、今さら正社員にしたくらいで引き止めができるとは思えませんが、どうなんでしょうね。
正社員登用の動きは、生命保険に限ったことではありません。
また・・・契約社員に限ったことでもありません。
実は最近、派遣の世界でもちょっとした旋風が巻き起こっているようなのです。
派遣社員にも直接雇用・正社員化の話が増えているらしいという話を聞いてきた!
- 上のように、一つ上の権限を与えて顧客重視の経営を目指し、非正規労働者を無期雇用・正社員化する企業が増えている
- 人材・スキル・ノウハウの流出を防ぐためという意味合いもある
この動きは直接雇用の契約社員だけにとどまりません。
僕は今でも時々、派遣社員だった頃の担当者さんと連絡をとっています。
・・・ただの飲み友達ってウワサもありますが(笑)。
で、聞いてみたところ、やはりそういう動きがあるとのこと。
それに加えて・・・
- 派遣法が改正されてから企業からの派遣の求人が爆発的に増えた
- 人材の奪い合いになるから、当然時給の相場が上がる
- 資金力の弱く時給で人を集められない企業は「契約社員化・正社員化」というオファーを出すことが多い
という事情があるようです。
僕はこれまで派遣法が改正されたら、派遣は一生派遣のままという主張を繰り返ししてきましたが、どうやら別ルートに突入したようです。
予想は外れたけれど・・・うれしいです!
だって、いいことじゃないですか!!
ただ・・・負け惜しみじゃないですが・・・
この動きもそう長くは続かない気がします。
派遣社員の直接雇用、無期雇用・正社員登用はそう長くは続かない!
なぜか?
カンタンです。
直接雇用・無期雇用・正社員の枠には上限があるからです。
企業だってバブル以降、何度か訪れている不況を忘れていません。
そして派遣全盛時代に「世界で一番几帳面な民族」と言われる日本人を時給1000円で雇える旨味を知ってしまっています。
一定数の人材を確保できれば、あとは改正された派遣法のメリットをフルに活用して派遣の使い捨てを繰り返すに決まっています。
もちろん、日本がバブル並の好景気に突入して、この予想が外れる可能性もないことはないです。
しかし、一寸先は闇のこのご時世。
何が起こるかわかりません。
慎重になりすぎるということはありません。
だから僕は主張し続けます。
「派遣社員として搾取され続ける日々にピリオドを打ちたければ、今すぐ転職活動をするしかない」と。