最近、このブログに「仕事 点で覚える」という不可思議なキーワードで検索してくれる人が増えてきました。
いつもありがとうございます、小鳥遊です。
僕は仕事の正しい覚え方は、
- ボリュームを把握して
- 点で覚え
- 線でつなぎ
- 面にして
- 奥行きをつける
ここまでやって始めて完成だと思っています。
よくわからないですか?
5分時間があるときに、本文をどうぞ。
仕事を覚えるスピードが3倍早くなる前準備~ボリュームを把握する
まずはマニュアルを通して読みます。
その段階で気になることが出てきたら、マーカーでも引いておいてください。
気になったらで良いです。
この作業の目的は、覚えることのボリュームを掴むことです。
極端な話、ページ数と文字の大きさだけ把握できていればそれでOK。
人間、目的地がわからないとペース配分ができません。
途中で集中力が途切れてしまって、覚えるのに何倍もかかってしまいます。
何で読んだか忘れましたが、こんな話がありました。
フルマラソンの選手に目標値も伝えず、並走する車からの指示に従って、ストップがかかるまで走らせる実験をしたところ、30kmも走らないうちにリタイアしてしまった。
これは、マニュアルなしで業務をしながら覚える場合も同じ。
これから何をするのか、所要時間だけでも把握しておくと、効率が全然変わってきます。
仕事を点で覚える
ここからマニュアルを読み込んでいきます。
マニュアルなしで実業務を通した場合は、その時に取ったメモを読み直す工程です。
メモを最初から最後まで通して覚えちゃダメですよ。
項目を1つずつ潰していってください。
線ではなく、点で覚えるんです。
例えば、
- いつから実施されるのか
- 概要
- オペレーション1,2,3・・・
- オペレーション時の注意1,2,3・・・
・・・
といった感じでしょうか。そして、
- 出てきた疑問点
- 自分なりに大事だと思う点
- マニュアルには記載されていないが、研修などで口頭説明されたこと
・・・
などを記入しておきます。
これは昔、フルートを嗜む(たしなむ)妻に教わりました。
曲を通して何度も何度も弾き込むのではなく、1小節ずつ覚えていったほうが、圧倒的に覚えるのが早く、完成度も高まるのだそうです。
実際、やってみると確かにこっちのほうが早い。
できれば
- 声に出して読んでみる
- 誤字脱字をチェックするつもりでメモを精読する
- 実践を想定して、「自分ならこうする」というアイディアが出れば書き足してみる
- 教わった夜になんとなくでも思い出して復習してから寝る
といったことをすると、さらに理解が深まります。
このあたりは、コールセンターのトークスクリプト(話す内容をまとめた台本)の覚え方として【コールセンター仕事術】スクリプトを覚えられない人は頭ではなく覚え方が悪いに具体例付で詳しく書いていますので、興味がありましたら読んでみてください。
https://winfriede.com/post-469/
仕事を線でつなぐ
点で覚えた仕事をつなぎあわせていきます。
要するに、実戦の中で実際に使って、自分のものにしていくシーンです。
ここで注意するポイントは2つ。
- どれくらいのスピードでやれば実務レベルなのかを知ること
- 工程の手順・順番を守ること
オペレーションの理解だけだったら、数をこなせば誰でも覚えます。
忘れてしまっていれば、聞けば済みます。
だけど、スピードと順番だけは意識しないとダメです。
自分だけで仕事していると、漏れなく作業ができるようになった段階で満足してしまいがち。
その職場で一番その作業が早い人の仕事ぶりを見て、それを基準に、いずれ超えるつもりでいきましょう。
順番はもっと大事です。
漏れなくやれば問題ないという考えは間違いです。
その作業がその順番で行われるのには、必ず何らかの理由があります。
変えるなら、教わった順番での作業を完全に把握して、その上で管理者の了承を取ってから変えてください。
仕事を「面」にする
普通だったら、仕事を線にすればそこで終わりです。
正社員や、今は非正規でもその業界で上を目指している人は、ここから仕事です。
・・・教わった仕事を覚えて、できるようになるというのは、仕事のスタートラインに立つ前の助走ですからね。
仕事を「面」にするというのはどういうことか。
線になった仕事をまとめる = 新しく覚えた業務と、自分が持っている他の業務の関連・兼ね合いを把握し、最適化することです。
例えば、あなたがA・B・Cという3つの仕事をやっているとします。
そこにDという仕事を新しく受け持つことになったとします。
A・B・C・Dはどの順番でやるのが一番効率的ですか?
それぞれの仕事の中に共通している作業はないですか2度手間は発生していませんか?
これは、いったん仕事を止めてでも時間を取るべきところです。
後回しにするなら後回しにするで、必ず期限を決めて手を付けてください。
そうでないと、あとから収集がつかなくなっちゃいますよ。
仕事に奥行きをつける
これが最後です。
仕事を線にするところまでで終わっていた人は、「まだ何かあるのかよ」と思ったのではないでしょうか。
派遣社員の方だと、たとえ知っていたとしても、ここから先は正社員の仕事になってしまうかもしれませんね。
仕事に奥行きをつけるというのは、
面にした仕事 = 自分の持っている仕事を他部署・関連会社等に最適化することです。
例えば、
- 他部署の業務の中にあなたの作業が終わらなければ着手できないことはないか?
- 逆に、他部署が早く上げてくれると、自分とその後ろに控える作業が短縮できるようなことはないか?
- 委託先の関係会社が、自分の知らない間に受付日・受付時間・データフォーマット等を変えていないか?
・・・
といったことが挙げられます。
ややこしくなってきたと思いますので、もう一度まとめると、
- 前準備・・・仕事のボリュームを把握する
- 仕事を点で覚える・・・仕事を細かく分解して1つ1つ覚え、ポイントを纏める
- 仕事を線にする・・・点で覚えた仕事をつなぎあわせ、スピードと順番を業務レベルに仕上げる
- 仕事を面にする・・・一連の流れをマスターした仕事を、自分の受け持つ他の業務とすり合わせ最適化する
- 仕事に奥行きをつける・・・自分の仕事を他部署・関係各社等とすり合わせる
4と5を意識できるようになると、上司や同僚から「オッ」という目で見られます。
まとめ
正社員の人は、1から5を全部を意識してないと給料泥棒です。
たとえ今は役職の都合上できなくても、意識だけならできるはず。
非正規雇用の人でも、自分の権限でできる範囲で1から5を意識してください。
習得スピード、理解度、理解の広さ。
すべてが変わってきます。
もしかしたら、派遣切りの未来も変わるかもしれませんよ。
厳密に仕事を覚えるというと3までで終わりですが、僕は5までやってはじめて、仕事を覚えたといえると考えています。
以上、ご静聴ありがとうございました。