こんばんは、小鳥遊です。
今日は元コールセンター中の人として、悪徳企業に効果的な「勝てるクレームの付け方」をお伝えします。
くれぐれも言っておきますが、明らかに相手の落ち度・不備などで損害を被った場合だけにつかってください。
ストレス発散や故意に金銭巻き上げる目的でクレーム入れるとか、日本人の恥ですから。
まず最初に言っておきますが、コールセンター相手に電話口での謝罪以上のものを求めても時間のムダです。
長期化してますますこじれる可能性が高いのでやめましょう。
謝罪でいいならコールセンターでオッケー。どんどんかけてください。多分なかなかつながらずイライラすることになりますが、それでも良ければどうぞ。
何かもめている知り合いの人がいたら、ぜひこの記事のことを教えてあげてください。
コールセンターにクレームを入れても時間と労力のムダです。
ごく一部の例外はありますが、コールセンターの運営は基本的にアウトソーシング(外部委託)。
通販の電話受付やIT機器のサポートセンターなどはほとんどが、トランスコスモス・KDDIエボルバ・もしもしホットラインといった業者にその業務を委託しています。
取り扱う商品・サービスであったり、クライアントとの契約によって多少の差はありますが、彼らに決定権はありません。
だから「お前じゃ話にならん!上司を出せ!!」はほとんどの場合、同じことを言われるだけでムダに終わります。
コールセンターに寄せられる苦情・クレームはどのように処理されるかを図にしてみました。

コールセンターに上がったクレームの処理方法
ご覧のとおり、コールセンターサイドの人間にはリーダー・SV以上であろうと、返金とか、弁償とか、直接訪問しての謝罪とか、コストの掛かる解決策を決定する権限が一切ありません。
どんな場合でも必ずクライアントの了承を得る必要があります。
そしてクライアントは十中八九、コールセンターサイドでの電話による謝罪だけで何とかするよう指示をします。
しかも重要という認識がまったくなく、「検討する、検討する」と適当な事を抜かした挙句、面倒くさそうに「まあ、そっちで何とかしてよ。」とか言ってきやがります。
この段階ですでにクレーム発生から1周間が経過しています。
誤解や行き違いだったら話せばわかるかもしれませんが、サービス提供側に明確な非がある場合はトークスキルでどうにかなるわけがありません。
しかしコストは一切使えない。
ではどうするか・・・
持久戦で相手に「もういい」とあきらめてもらうまで粘るしかありません。
クレーム入れてもまともな答えが返ってこないで泥沼の長期戦に突入してしまうことがありますが、あれはセンターのオペレーターが無能なのではありません。ああせざるを得ないのです。
もう一度言います。コールセンターにクレームを入れるのは謝罪以外の保障が欲しい場合は時間と労力のムダです。
謝罪でいいならいくらでもします。そうでないならコールセンターの非正規労働者を追い詰めるだけで誰も得をしませんからかけないでやってください。
要求を飲ませる勝てるクレームの裏ワザ「書面と消費者センター」
上の図に戻って、右下の赤枠をご覧ください。
もちろん100%ではありませんが、僕の経験からすると「消費者センター」というキーワードが出るとクライアントが動きやすいです。
僕が働いていたコールセンターでは、何度僕らがエスカレ(相談)しても「そっちで何とかしろ」といっていたクライアントが、お客様センター宛に消費者センターを匂わせる書面が送られてきた瞬間「●●円ご返金するって電話して」と態度を変えるのが日常茶飯事でした(苦笑)。
それではわかりやすくまとめます。
契約書・申込書にはきちんと目を通す
前準備として契約書・申込書を確認します。
代替案が明示してあったり、保障はいたしかねます的な文言が入っていれば・・・残念ながら泣き寝入りするしかありません。
時間と労力のムダですから、人生の勉強代だと思ってきっぱりあきらめ、別の会社のサービス・商品を検討しましょう。
苦情はお客様センターへ書面で出す
何度も話していますが、コールセンターに謝罪以外の要求で苦情の電話を入れるのは糠(ぬか)に釘(くぎ)、暖簾(のれん)に腕押しです。
カタログや企業のホームページに記載されているお客様センターに郵送で送りましょう。
「届いていない」とシラを切られる可能性がありますので、郵便物追跡ができる書留等を使いましょう。
郵送代は一旦立て替えて賠償に含めるようにするとよいでしょう。
損害は客観的に数字で書く
例えば工事業者のミスでネット回線が当初の予定日に開通しなかった場合。
契約書等にその際の条件が書かれていなければ、開通予定日と実際の開通日までの基本料金を日割りした額が妥当ではないでしょうか。
もし仕事で使うものだったら、その間のビジネス上の損失を客観的に計算し上乗せします。
損失がおこった原因についても客観的に分析し書き添えるようにします。
感情的に「お前らが無能だから・・・」的な書き方より「御社の●●ミスにより■■が起こり・・・」といったように理路整然と書いたほうが相手にプレッシャーを与えられます。
何日までに対応してほしいのかを明確に書く
一日も早く、という気持ちはごもっともですができることとできないことがあります。
そこは理解してあげてください。
向こうも人間ですから、頭ごなしに要求されるより少しでも事情を理解した上で譲れない部分を明示されたほうが協力的になります。
また、「何を希望するのか。」も明確にします。
「誠意ある対応」って言われても困ります。こちらの希望と向こうの対応にズレがあるとまたもめてムダな時間と労力を使い、果てしない不快感を味わうことになります。
書面ではなくコールセンターに直接怒鳴りこむときは・・・
どうしてもコールセンターにクレームを入れるという場合も、上記4点を意識して電話をかけるようにしましょう。
感情的になってプラスになることは何一つありませんから、どこまでも事務的に対応することをオススメします。