こんばんは。小鳥遊です。
何度教えても仕事を覚えてくれない人がいます。
こちらがどんなにていねいに、時間を使ってもおんなじ間違いを何度となく繰り返されると、だんだんその人のことが憎たらしくなって、最後にはわけも分からず悲しくなってきます。
コールセンターにつとめていた頃は、僕もいろいろ失敗しました。
わずか2年でしたが、いろいろな人を教えてきた中で、仕事・プライベートを問わず、一生使える人にものを教えるコツをいくつかつかむことができました。
例によって、キーワードは「当たり前のことなのにできていないことをきちんとやる」です。
部下や後輩の成長が思わしくない人は絶対に間違った教え方をしています。
今日をいい機会と捉えて、明日から直していってください。
できない部下・後輩はいない。いるのは無能な上司・教育係だけ。
「ビリギャル」の著者 坪田先生はおっしゃっています。
「ダメな人間などいません。ダメな指導者がいるだけなのです」
まさにその通り。
確かに人間、得意・不得意はあります。
前の職場で同じような仕事をしていた経験があったり、もともと理系だったり数学が得意な人はそうじゃない人に比べて覚えが早いです。
でも、そんなのはいいわけです。
上司や教育に携わる人には、仕事を誰にでもできる形にした上で、理解してもらう義務があります。
部下や後輩に苦手な仕事・できない仕事があるのは100%教える側の責任です。
上司に「●●くんの覚えが悪いから」なんて報告するのは論外。心のなかで思うのもNG!!
うまくいかないのであれば言葉だけではなく、心の底から自分の不手際・教育スキルの不足を反省してください。無理やりにでも自分にそう言い聞かせてください。
すべてはそこからです。
仕事を覚えてくれない部下・後輩はこう教える 4つの具体例
すべてを自分が引き受ける覚悟を持ったらいよいよ実践です。
とはいっても、難しいことはありません。
当たり前のことを当たり前にやる、ただそれだけです。
・・・それができないからこそ教育は難しいんですけどね。
100回説明する覚悟を持ってのぞむ
あなたの部下・後輩がその仕事を理解していないために起こしたミスは何回目ですか?
同じことを何度聞いてきましたか?
5回?10回?
全然甘いです。人を育てるという仕事をまっとうするつもりなら、100回説明する覚悟をもってください。
100回聞いてくると思っていれば、10回・20回同じことを聞かれたくらいでイライラするようなことはありません。
何より大切なのは、部下や後輩が「質問しにくい空気」を絶対につくらないこと。
昔、コールセンターで働いていた頃、仕事の理解不足から自己判断でオペレーションをして間違えるのがくせになっている人がいませいた。
そんな彼女が質問できなかった理由を問いただしたところ、返ってきたのは意外な答え。
「みんな忙しそうだから」でした。
知識が一番定着するのは、自分の力で疑問を解決した時です。
聞きにくい雰囲気を出して、そのチャンスを奪ってしまうのは教育担当者として失格です。
「どんなしょうもないことでも、何度でも教えるからいつでも聞きにきてください。」
何十回でも伝えてください。
「なぜできないのか」ではなく「どうしたらできるようになるのか」を考える
原因を正しく認識し、具体策を講じるというのは非常にロジカルで正しい手法に見えます・・・が、間違いです。
「なぜできないのか?」という質問は対象者の部下・後輩を「できない人」と認識した思考です。
人は「できない人」に対して「できない人」への対応しかできません。
そして、「できない人」への対応は「できない人」しかつくれません。
「どうしたらできるようになるのか」を考えましょう。
できていないところを列挙するより、できている部分にフォーカスしましょう。
ビルを建てるなら古い建物は取り壊してゼロからつくったほうが早いかもしれません。
でも人間は違います。
全部否定してゼロからスキルを構築するより、できている部分は流用した方が、効率的です。
あなたと部下・後輩の「基準」のズレを修正する
覚えの悪い部下・後輩は本当にあなたの話を理解できているでしょうか。
というより、あなたの話を理解できるだけの下地を持っているでしょうか。
以前、コールセンターで働いていた時に、他のリーダーが箸にも棒にもかからないとさじを投げたオペレーターを預からせていただくことがありました。
いろいろ問題はありましたが、一番最初につまづいたのが「入力」。
いくら「ここをコピーしてここに貼り付けてください。」と言ってもやってくれないんです。
「【コントロール+Cでコピーしたあとでコントロール+V】が難しいならマウスを右クリックしてからコピーして、それをもう一度マウスの右クリックから貼り付け」と教えてもダメ。
かなりの時間をかけてパソコン操作における「コピー」とは何なのかがわかっていないことが判明しました。
その方はだいぶご年配の女性でしたが、何のきっかけで判明したか忘れましたが、「毎回コピー機で何をコピーするのか?」と真剣に悩んでいたそうです。
あなたの部下・後輩はあなたの話に出てくる業界用語や、基礎の基礎の基礎と思われることをきちんと理解しているでしょうか?
掘り下げれば意外な事実が判明するかもしれませんよ。
理由を紐付け、具体的なイメージをもってもらえるように教える
突然ですが問題です。
- ゴーヤ2本
- 豆腐1丁
- 豚肉300グラム
- 卵2個
- 油大さじ2杯
豚肉は何グラムですか?
・・・見返さなければ出てこない人がほとんどではないでしょうか。
ではこれならどうでしょう?
今から具沢山のカレーライスを8皿分作ります。
具沢山のカレーを8皿分ですよ。
- カレールー1箱・・・1箱そのまま入れればちょうどいいトロミになります
- 水800cc・・・1皿につき100ccです
- 玉ねぎ2個・・・溶けてなくならないように多めに入れます
- 人参2本・・・ルーに甘みを添えるために多めに入れます
- 豚肉800グラム・・・牛肉だと高いので豚肉を使います。1皿100グラムです。
- じゃがいも8個・・・溶けてなくならないようにちょっと多めで1皿につき1個分入れます。
ルーはまるごと1箱、玉ねぎと人参は2本、それ以外は8皿を意識してください。
水は何ccですか?
覚えていた人、多いんじゃないですか?
最初のはゴーヤチャンプルー(小鳥遊家仕様)です。
どれくらいつくるのかわからなければ、人によってはゴーヤチャンプルーって何?って人もいるかもしれません。
そんなもの、覚えられるわけがありません。
カレーライスは誰でも知っていますから、具体的なイメージができます。
その上で8皿という量と、覚え方、あと分量の根拠・理由を繰り返し説明しています。
教えるのが下手な人の仕事の教え方で圧倒的に不足しているのが、イメージの構築と理由のヒモ付です。
- なぜ日付を書き忘れてはいけないのか?
- なぜできるだけ早く提出しなくてはいけないのか?
- なぜ3枚も同じ書類をつくらなくてはいけないのか?
・・・
あなたの部下・後輩が1つの仕事の裏にあるバックグラウンド(背景)を理解できているでしょうか。
もう一度、相手の立場・気持ちにたって考えてみてください。
まとめ
最近「コールセンター 指導」とか「コールセンター 覚えの悪いオペレーターをどうやって教える」といったキーワードでの検索が増えてきたので、書いてみました。
こんなところでいかがでしょうか?
人にわかりやすく物事を教え、理解してもらうスキルは仕事以外にも様々なシーンで役に立ちます。
いわば一生もののスキルです。
明日から実践する人と、いい話だったで終わって変わらない人、そしてそんなこと知っていると切り捨てて自分の成長にストップをかける人。
あなたはどの人ですか?