わたしたち仲良しアラフォー3人組の最初に卒業していったカノジョ。
3年経った今でもたまに集まる関係を続けている。
この日、わたしたちの仕事のグチをニコニコと聞いてくれるカノジョに、いつもの笑顔はなかった。
「わたし、離婚しようと思ってるの。」
こんな時、あなたはどうしますか?
まず事情を聞きますね。
そのあとはどうでしょう?
離婚を考える理由がわかったら、何とか離婚しなくて済む方法を考え、アドバイスするでしょうか。
それとも、円満な離婚ができた上で、慰謝料を少しでも多く取れる方法を一緒に考えるでしょうか。
・・・僕と同じ間違いをしてますね。
相談の答えは僕たちの中にはありません。
答えは相談者の中にあります。
僕たちにできること、やるべきことは、たとえ議論が堂々巡りしようとも、たとえ相手にウンザリされようと。
根気強く質問し、相手が自分の中にある答えにたどり着くのを待つことだけです。
・・・ただ、「相談相手の幸せ」だけを願って。
友達の相談に乗ったら、離婚してしまいました。。。
最初に謝っておきます。
タイトルは「釣り」です。
誰も離婚していません。
・・・つーか、僕、友達いないしwww
先月、NLPの講習の中で「相手の本音を聞き出す質問」を練習するワークがあって。
そのワークの一環で「離婚する」と言っている相手から「なぜ離婚を考えているのか」や「そのことに対する本人の答え」を質問で引き出すってことをやったのね。
あ、NLPってのは「Neuro-Linguistic Programming=神経言語プログラミング」っていう心理療法の一種で。
4年前に受けたんだけど、先々月から再受講をしてるんです。
で。
4年前に一度やってることってのもあるし。
このブログや転職ブログWinF-JCで相談受けるのに慣れてるってのも手伝って。
やってしまったんです。
間違いを。
離婚の原因や、その人が離婚についてどう考えているのかをスラスラっと聞き出して、要点をまとめた。
ここまでは良かった。
問題はその後。
いや、前かな。
僕が犯した致命的な間違い。
それは収集した情報から「この人は離婚した方がいい」と「自分の中で」答えを「決めつけてしまった」こと。
人間の「決めつけ」「思い込み」は恐ろしいです。
僕は・・・
- 世間一般に言われる離婚のデメリットにほとんど触れず
- 相談者が「本当は離婚したいわけではなく、自分でも気づいていない『他の不満』で離婚したいと思い込んでいるだけ」という可能性も排除し
- 相談者の離婚への戸惑い・恐れを和らげる方、和らげる方へ話を誘導し
・・・
彼女は、「離婚する」という決断をしてしまいました。
お互いの評価・フィードバックで褒められ
先生にも「いい感じですねぇ」っぽく言ってもらって。
ちょっといい気分になっていたけど。
少し時間を置いてからふと気づいて、青ざめました。
俺、しなくていい離婚を後押ししちゃったんじゃね?
今までWinFやWinF-JCで何百・何千人の相談に乗ってきたけど、決めつけのアドバイスしたんじゃね?
相談の答えは「相談者自身の中」にある
あとで先生に聞いたら、気づいていたけれど止めなかったらしい。
僕があとで気づくことを見越して黙っていたんだとか。。
うーん、手のひらで踊らせる感じがSo Sadistic!
いけずやわぁ。。。
結局。
Q.「アマゾン川が逆流する現象の名前は?」
A.「ポロロッカ」
正解!
みたいな単純な知識を問われる場合じゃなければ。
答えは、相談者の中にあるんですね。
相談を受ける人間は、「自分の中に答えを持ったり」「自分の答えを押し付ける」ようなことは決してやってはいけません!
それが結果的に正解だったとしても。
相談者は「やらされた感」「押し付けられた感」「決めつけられた感」を持ってしまうからです。
論理的・世間一般的には正とされる解答を与えたとしても、本人の腑に落ちていないので、アドバイスどおりにやって成功したとしても、彼ら・彼女らの心の雲は晴れません。
もし失敗でもしようものなら、善意でアドバイスをしたのに恨み・憎しみを買うことになりかねません。
・・・もしくは、本人も無意識のうちに生まれる反発・反抗から、これまた無意識のうちに「自己流のアレンジ」を加えて実行し、失敗するかもしれません。
・・・あなたも、経験ないですか?
「こうしたほうがいい」「こっちを選べばいい」と思った瞬間に「別の答えが存在する可能性」を頭から消去して話を進めてしまったこと。
例えば・・・
友達が「告白しようか迷っている」と相談してきたとして。
彼が告白しようとしている相手に「誰とでもヤりまくる超絶ビッチ」という噂があったら・・・「やめとけ」っていう人、多いんじゃないでしょうか。
でも・・・
- もしそれが、ただの噂だったとしたら。
- そういう過去はあったけれど、彼との友達付き合いで彼の誠実な人柄に触れ、心が入れ替わり、彼女も彼に好意を持っていたとしたら。
- 理屈ではなく、ビッチだろうが借金まみれだろうが好きなのだとしたら。
・・・
あなたに悪意がないことはわかります。
むしろ、彼のためを思い、悪い女に引っかからないようにと親身になったからこそ出た「やめとけ」です。
どんな結果になろうと、彼があなたを恨むことはないでしょう。
だけど・・・
あなたの「思い込み」「決めつけ」から生まれたアドバイスを受け入れた彼は。
いい結果になろうと、悪い結果になろうと、必ず心にしこりを残します。
ただその人の幸せだけにフォーカスする
というわけで。
前回の講習は、普段のコミュニケーションという点でも、これからWinFやWinF-JCで受け付けていく相談にどう向き合っていくか、という点でも。
重い重い教訓となりました。
離婚がワークの中の話で本当によかったです。
こういうことがないようにするために、NLP的には
- キャリブレーション(より注意を集中した観察・傾聴)
- 批判せず共感を持って受け止める心の姿勢
- 「適切な」質問(”適切な”が難しい)
・・・
といったテクニック(手法)があって、僕らはそれを教わっているわけです。
一度教わっただけじゃできないから、あの先生は講習の中で練習の時間を取ってくれるわけです。
それでも身につかないから日常生活の中で常に意識して練習を重ねるわけです。
特に練習!
僕は、4年前に一度同じことをやってるはずなのに、できなかった。
断言できます。
コミュニケーションは才能でもノウハウでもなく「練習」です!!
そして。。
一番大事で、今回の僕が一番失敗したと思ったのが。
「自分のことは脇に置いて、ただその人の幸せだけ」にフォーカスして対応すること。
それが一番大事!!
思うんだけど。
「決めつけ」とか「押し付け」っていうのは。
- うまく答えよう
- グダグダになったら恥ずかしい
- 論理的な解答をしよう
- きれいにまとめよう
- 相手を納得させよう
- できればスラスラっと答えて尊敬されたい
- 頼られたい
- 一目置かれたい、認められたい
- お礼を言われたい
・・・
っていう「自分に向いた気持ち」が引き起こすんじゃないかなぁ。
些細な見栄、ちょっとしたカッコつけ。
決して責められるようなことじゃない。
これは人間だったら誰でも持ってる「自己承認欲求」だから仕方ない。
だけど。
その「人間だったら当たり前」が。
時として相談者の人生を左右することがある。
相談にのるときは。
特にカウンセラーとか目指してる人は。
心に留めておいたほうがいいと思う次第です。
まとめ
ペンや指でその人を指すと、その人に意識を向けることができます。
・・・あからさまにやったら失礼なので、机の下とか腿(もも)の間とか、手で隠しながら、とかさり気なくやるのがポイントねww
相談の時はもちろん。
退屈な会議で発言者の話が頭に入ってこないようなときにもオススメです。