あなたはふるさと納税、使ったことありますか?
- お得だし、使ってみたいと思っている。
- 今、何を買おうか検討している。
そうですか、そうですか。
あなたも、税金も払わずに公共サービスを使い、自治体に保育園・幼稚園への補助を削らせ、女性が働きにくい日本、格差社会づくりに貢献し、日本全体の財政を圧迫することに加担しようとしているのですね。。
ふるさと納税は合法的な脱税です。
あなたがふるさと納税を使えば、あなたの街が公共サービスに使うべきお金が、あなたのエゴのためにどこか別の街に流れていきます。
ふるさと納税による脱税は、あなただけの問題、あなたの街だけの問題ではありません。足りなくなった財源を補てんするための地方交付税が上がることで、国民全体に負担がかかります。
あなたがお得に買った肉やパソコンは、たくさんの人を不幸にした産物なのです。
国が認めたことは、違法ではありませんが善でもありません。
「犯罪じゃなければ何をやってもいい」は民度の低い考え方です。
自分の頭で考え、人の心で動きませんか?
ふるさと納税は格差社会を加速させる、国が認めた「合法的脱税」
これ読んでて「ふるさと納税って何?」って人はいないでしょうが、誰でもわかるように2行でまとめます。
- 自分が住んでいるところ以外の特産品を(寄付という名目で)買う
- 購入代金(寄付金)が2,000円差し引いて、自分が住んでいるところの税金の返金という形で返ってくる
買える商品の上限(寄付金の上限)が所得によって決まっているとか、細かいことはいろいろあるのですが、簡単にまとめるとこういうことです。
控除(返金)を受ける手続きが簡素化されたり、購入可能金額(控除額)が倍になっていたり、国が全力でふるさと納税を推進していて、何にも考えない人たちが日夜せっせと格差社会づくりに精を出しています。
その結果がコチラです。
都道府県 | 受入額 | 流出額 | 差額 |
北海道 | 150 | 23 | 128 |
青森 | 8 | 3 | 6 |
岩手 | 24 | 3 | 21 |
宮城 | 19 | 13 | 7 |
秋田 | 14 | 2 | 12 |
山形 | 139 | 3 | 136 |
福島 | 14 | 6 | 8 |
茨城 | 41 | 14 | 27 |
栃木 | 12 | 9 | 3 |
群馬 | 29 | 10 | 20 |
埼玉 | 15 | 52 | 38 |
千葉 | 32 | 52 | 20 |
東京 | 12 | 262 | 249 |
神奈川 | 20 | 103 | 84 |
新潟 | 23 | 7 | 16 |
富山 | 3 | 3 | 0 |
石川 | 9 | 4 | 5 |
福井 | 6 | 3 | 3 |
山梨 | 16 | 4 | 12 |
長野 | 105 | 8 | 96 |
岐阜 | 20 | 12 | 7 |
静岡 | 94 | 20 | 75 |
愛知 | 22 | 75 | 53 |
三重 | 23 | 11 | 12 |
滋賀 | 16 | 10 | 6 |
京都 | 13 | 24 | 11 |
大阪 | 36 | 86 | 50 |
兵庫 | 45 | 54 | 9 |
奈良 | 8 | 13 | 5 |
和歌山 | 18 | 5 | 12 |
鳥取 | 34 | 2 | 33 |
島根 | 32 | 2 | 30 |
岡山 | 45 | 10 | 36 |
広島 | 13 | 15 | 3 |
山口 | 11 | 5 | 7 |
徳島 | 3 | 3 | 1 |
香川 | 7 | 5 | 3 |
愛媛 | 23 | 6 | 17 |
高知 | 46 | 2 | 44 |
福岡 | 55 | 30 | 25 |
佐賀 | 97 | 3 | 94 |
長崎 | 82 | 5 | 78 |
熊本 | 12 | 5 | 7 |
大分 | 20 | 4 | 17 |
宮崎 | 103 | 3 | 100 |
鹿児島 | 75 | 5 | 70 |
沖縄 | 10 | 4 | 6 |
合計 | 1653 | 999 | 654 |
webun(北日本新聞)さんの「財源流出は東京最多261億円 15年ふるさと納税、富山3億1735万円」からお借りしました。
金額の単位は億で、1千万単位は四捨五入されています。
徳島県が受入額・流出額とも3億なのに1億円の赤が出ているのは、端数処理によるものと思われます。
100億円以上儲けたところもあれば、東京都のように249億円の赤字を計上してしまったところもあります。日本の首都が249億円赤字って・・・防犯とか、医療とか大丈夫なんでしょうか。。
わかりやすい資料が都道府県版しかありませんでしたが、もちろん市町村単位でも悲鳴を上げている人はたくさんいます。
2011年、長野県北佐久郡軽井沢町在住の住民が、東日本大震災で被災した東北3県に約7億円の寄付を行った。当該住民は、株式売却によって生じた住民税約1億円を源泉徴収されていたが、確定申告により寄付分が控除対象となり約7,900万円が還付されることになった。このことにより、軽井沢町は当該住民から本来納税される平成24年の町民税額が大幅に減じたばかりでなく、還付金として約4,700万円を負担することとなった。
ふるさと納税はどんどん拡大しています。
地域格差はますます大きくなることは明白です。
ふるさと納税で税収が歪んでしまうことで起こる問題
都道府県税・市町村税をまとめて”住民税”というのはご存知かと思います。
住民税は・・・
- 警察
- 消防
- 医療
- 図書館
- 道路や公共移動手段の整備
- 学校
- ゴミ焼却
等々、様々なことに使われます。
つまり、ふるさと納税で赤字になってしまった都道府県・市町村では・・・
- 犯罪が起きても予算を削られた警察では対応できない、防犯が低下する
- 火事や災害が起きても消防車も救急車も来ない、来ても設備がお粗末で鎮火できない
- 病院が減る、医者もナースも減る、負担が増えて医療レベルが下がる
- 図書館が減って地域住民の知のレベルが保てない、書籍代が上がる
- 道路や公共移動手段が整わない、事故が増える、交通費が増える
- 学校が減る、先生の負担が増えてうつ病退職増加、学力低下といじめの悪化
- ゴミ収集車が来ない、ゴミ処理が追い付かない、環境汚染
・・・
といったことが起こり得るのです。
ふるさと納税のせいで249億円も税収が減ってしまった東京都。
ちなみに東京都の待機児童は2016年9月9日時点で8,466人!(待機児童解消に向けた緊急対策についてより抜粋)
・・・ふるさと納税がなくならない限り、絶対解消しませんね。。
あなたは、自分の子供を待機児童にしたいですか?
あなたは、自分の街を犯罪あふれるバイオレンスシティにしたいですか?
あなたは、地震や火災が起きたとき、ただつぶされる、焼け死ぬ、凍死するのを待つしかない街に住みたいですか?
ふるさと納税を使っている人は、こんなことに加担しているのです。
これからふるさと納税で何か買おうとしている人は、今すぐやめましょう。
ふるさと納税は地域間格差だけではなく、国そのものを亡ぼしていく
冒頭で紹介した長野県軽井沢町のお話には続きがあります。
2011年、長野県北佐久郡軽井沢町在住の住民が、東日本大震災で被災した東北3県に約7億円の寄付を行った。当該住民は、株式売却によって生じた住民税約1億円を源泉徴収されていたが、確定申告により寄付分が控除対象となり約7,900万円が還付されることになった。このことにより、軽井沢町は当該住民から本来納税される平成24年の町民税額が大幅に減じたばかりでなく、還付金として約4,700万円を負担することとなった。なお、軽井沢町町長は当該住民からの納税額を超える還付金相当額については、地方交付税(特別交付税)で補填するよう求めるとしている。
ふるさと納税で開いた格差は、「地方交付税(特別交付税)」によって補てんされます。
そういう意味では、上で述べた、犯罪が起きても警察が来ないような最悪のシナリオは回避されるようになっています。
では、問題です。
地方交付税はどこからでるでしょうか?
・・・もちろん、税金です!!
これからふるさと納税が成長し続ければ、それだけ地域間格差が大きくなり、地方交付税もたくさん必要になります。
じゃあ、どうする!?!?
増税しかありません。
あなたはどこの誰とも知らない人が買った肉やパソコンの代金を間接的に負担しているのです。
そんなことが許されていいのでしょうか?
いいわけありません!!
ってか、僕は嫌です。
警察に守ってもらって、病気になったら病院いって、共働きの夫婦は子供を認可保育園に預けて、バスや電車に乗って、昨日つかったコンドームは見えないようにしたうえでゴミに出して・・・
すべて税金で賄われています!
サービスを受けたら対価を払うのは日本だけでなく、(一部を除いては)世界共通のルールです。
食い逃げみたいな真似はやめましょう。
僕が考えるふるさと納税の改善策
いろいろ文句を言いましたが、ふるさと納税を使っている人全員を責めているわけではありません。
だって、国が「いいところだけ強調して」「美しく飾り付けて」ごり押しで進めているんですから。
人のいいあなただったら、ふるさと納税の理念をうのみにしてしまっても仕方ありません。
第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。
この理念通りにふるさと納税が機能すれば、素晴らしいことです。
特に「税金に民意が反映できる」というのは、こ汚いおっさんが何に使っているのかわからない今の税運用からすると、素晴らしい進歩です。
そこで僕なりにふるさと納税を地域と日本全体にとってプラスにするための施策を考えました。
ふるさと納税の寄付先は自分が住んでいるところか、ふるさとに限定する
意外と知らない人が多いですが、ふるさと納税は自分の住んでいるところに対しても使えます。
これなら「自分の収める税金の使い道を住民が決められる」というふるさと納税の理念に一致します。
ただ、「ふるさと納税でAというプロジェクトのお金は集まったけど、Bが足りない。よし、地方交付税で補てんしよう」では元の木阿弥。
プロジェクトBが「そういう人たちの私腹を肥やすプロジェクト」じゃないか、第三者による見解を添えて住民投票するようにすれば本当に住民が望むサービスに税金を投下できるのではないでしょうか。
「返礼品」にルールをつくる
なんか返礼品合戦みたいになってるし、宣伝にも相当なお金使ってるし。。
これ、寄付じゃなくてカタログショッピングじゃね?と思うのは僕だけでしょうか。
いっそ、「物」を禁止したらどうでしょう?
代わりに・・・
- 「ふるさと」に帰省するための電車のチケットとか
- ふるさと納税で帰省する人の有給休暇やその後の立場を、都道府県や市町村が保証するとか
- 公共施設の無料利用権とか
- 公共施設の命名権とか
- ふるさと納税つかってくれたら「ハローワーク・プレミアム」が使えるとか
- 「大使」や「ミス〇〇」的な公務に就職できるとか
- 1日市長を下僕として使えるとか
どうでしょう?
ふるさと納税の成績でリーグをつくる
サッカーのJリーグがJ1・J2・・・とわかれているように。
野球が1軍・2軍・・・とわかれているように。
ふるさと納税の成績が悪かった下位自治体は、3年連続で順位を下げ続けたら責任とってトップから下っ端まで総入れ替え!
入れ替えられた人たちは3年は公務員や正社員にはなれず、就職先は民間の非正規に限定する。
とか、どうでしょう?
めっちゃやる気出すと思いますよ。
ただし、評価軸は「集めた額」ではなく「住民が自分たちの住む地域に対してふるさと納税を使ってくれた率」で算出します。
ただ税金を払うのではなく、自分たちで自分たちの街・税金の使い方を考える住民が多いというのは、評価されるべきことではないでしょうか。
ただ・・・
何とか数字を水増ししようと不正の嵐が吹き荒れる可能性があります。。
チェック機能と対策をしっかり固めてから導入する必要はありそうです。
まとめ
【ブログ収益募金】新潟県糸魚川市の火災義援金に使いました。にも少し書きましたが。
何か貢献したかったら寄付・募金をすればいい話で。
だって見返り期待している時点で善意じゃないですよね。
あと、、ふるさと納税には
- 雇用をつくる
- 地域が活性化する
- Uターン・Iターンを促進し、過疎解消が期待できる
っていう主張も的外れ。
ふるさと納税の理念を思い出してください。
そんなこと、一言も書かれていません。
そういうことは、それだけを目的にした別の施策・プロジェクトを立ち上げてやるべきです。
誰も見やしないと思いますが、万が一の時のために予防線張っときます。
炎上覚悟では書いていますが、炎上を狙っては書いていません。
僕の住む街や日本がもっと住みよくなって、優しい人が増えてほしいだけです。
反論があるなら、理屈で、対案を添えてお願いします!
追伸
高頻度でふるさと納税オススメしてるブロガーって・・・そんなに金がほしいかっていうか・・・人としてどうかと思うんよ。
まっとうなものをまっとうにアフィるのは色々な人が幸せになれるけど、ふるさと納税のアフィリエイトは間接的に税金かすめ取ってるだけ
国が認めているから、法に触れていないからっていうけどさ。。。「麻薬犯罪にかかわった人間を殺したら報奨金を出す」って言われたら殺しまくるの?
「お得な情報を伝えたい」「地域に貢献したいだけなんだ」とかキレイごというなら、、、ふるさと納税で稼いだ分、全額寄付しなよ。